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【165】 題名:左眼嶮下垂で動眼神経麻痺と診断。原因不明。動眼神経麻痺とは
相談者:匿名希望 年齢:69 性別:女性 地域:福島県 2013/06/09 (日)14:53:32
原因不明の眼嶮下垂が左目にあります。
大学病院の脳神経外科=>神経内科と転々としましたが
外来で原因がわかりません。
動眼神経麻痺とはどのようなものなのでしょうか
     
この相談への個別リンクは 
http://www.clinicayamamoto.com/list_single_N.php?s_no=165
 です。








「動眼神経麻痺」による「眼嶮下垂」は広い意味で、外眼筋麻痺の一種と
考えられるものです。


動眼神経麻痺とは
眼球運動障害の内でも
“核および核下性の麻痺”に含まれるものの一つを呼称いたします。



眼球を動かすそれぞれの運動神経の神経細胞の集合したものを運動神経核と呼びます。

この眼球運動の神経核は3つあります。

すなわち、動眼神経核、滑車神経核、外転神経核の3つです。
いずれも脳幹と呼ばれる大脳と脊髄を結ぶ部分で、そ後ろに小脳を控えた部分にあります。

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1・よりましてこの眼球運動神経の「核のレベルでの麻痺」であれば、「脳幹の病」
でおきることになります。


2・この神経核よりも下流の神経のレベルでの障害は
「核下性麻痺」と総称されています。


核下性の麻痺は脳幹の中に出来る場合と、
脳幹を出てから外眼筋までの神経の経路のどの場所でも起きます。
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さて、
これらの眼球を動かす神経には、
先に挙げた3つの神経に対応して、1、動眼神経 2、滑車神経 3、外転神経の3つがあります。

このうち動眼神経にしぼった「御回答」になります。


「動眼神経核脳幹内」での「動眼神経の線維」は、
極めて「特異的な分布構造」をすることが知られています。



すなわち、
「動眼神経」は、いったん各筋肉ごとの神経線維が別れて、
脳幹の中での神経の経路に沿って広がり、
再び「脳幹を出るときに一本の動眼神経という束」
にまとまって眼球に向かうという構造を持っています。


ですから、脳幹の出血などでは動眼神経全部の麻痺ではなく、
その一部分だけの麻痺が見られることがあるのですね。



さてこの、動眼神経麻痺ではまず眼球の上
(上直筋の麻痺によるものです)、
下(下直筋の麻痺によるものです)、
そして内側(内直筋の麻痺によるものです)への運動の障害をだします。



この他、上内側斜めの運動の障害が
(下直筋の麻痺によって)現れますが、これはほかの方向ほどはっきりは見えません。



このほかに、御相談者の御相談内容である、
「眼瞼下垂、瞳孔散大(瞳孔を収縮させる副交感神経も動眼神経の成分です)」
を示します。

このような「眼瞼下垂や瞳孔の散大を片眼に示すような動眼神経麻痺」
ではその原因を動眼神経麻痺と推定することは比較的容易なものなのです。




このような事例で典型的な場合、「眼瞼下垂と瞳孔の散大を伴い、正面眼位は外斜視」
を示しています。










動眼神経麻痺のある目の瞼を指で持ち上げて開き、
指示によってその眼で正面を見させると、反対の正常な左眼は強く外転することもしられています。


1・「脳幹部」の「病態」
「脳幹部」の「病態」では、
まず原因が「脳血管障害」なのか、「脳腫瘍」
などの圧迫性の障害なのか、
それとも炎症なのかといった原因を確定しなくてはなりません。

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一般的には、
1・「脳腫瘍」18%、
2・頭部外傷13%、
3・動脈瘤18%、
4・糖尿病を含む虚血17%、
5・その他12%、
6・不明が20%とされています。

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原因不明は「脳神経外科専門医」が見ても20%もあるのです。



「動眼神経麻痺」「眼嶮下垂:ptosis:トーシス」の場合
その原因判断の後で、最適な治療方法を考えます。

脳腫瘍や蓄膿症などの手術をはじめとする、
疾患に特異的な方法で治せる疾患では、
その専門医(脳外科や耳鼻科)に患者さんは「御受診」される必要があります。





麻痺動眼神経の麻痺でこの範疇に含まれるものには、
「脳神経外科専門医先生」にすぐに「御受診」されなければならない
「内頚動脈と後交通動脈の分岐部」に出来る
「未破裂脳動脈瘤」による場合があります(IC−PC脳動脈瘤と呼称いたします)。



たとえば「眼科専門医先生」や「形成外科専門医先生」
がMRIなどの検査を進めるうちに、
もし数日以内にこれが破裂してしまって、
くも膜下出血を起こすと命を落とすことがあるからです。




糖尿病が原因である、「動眼神経麻痺」では糖尿病の「内科専門医先生」
を「御受診」されなければなりうません。


糖尿病で微小な血管閉塞が起きてその結果起きる動眼神経麻痺は、
瞳孔が侵されないという特徴があります。

通常はは「3か月」で「症状・症候」は消失致します。

しかし、原因の糖尿病を正しく治療しないと、
長期的には腎臓障害や眼底出血などの大変な合併症を招くことは
いうまでもありません。




=>




最も妥当な手術や、ステロイドなどの薬剤投薬による治療がなされたら、
それでも「動眼神経麻痺」による「眼嶮下垂:ptosis:トーシス」
があるのであれば、はじめて、「眼科専門医先生」「形成外科専門医先生」
の「御受診」となります。

このような場合
治療と観察を続けて6か月程度の間、斜視角が安定するのを待ち、
治療の方法を考えます。

この際に可能性のある治療の方法として眼科的な「治療戦略」
をとることがあります。


まず麻痺性斜視による複視が軽ければ、経過を見ることにします。

麻痺した筋肉を使わないほうに顔を向けていれば複視はかるくできます。

(しかし、人間の首はとても重いので、
いつも小首を傾けていると言うのは結構ひどい肩こりや頭痛の原因になるのです)


次に考えるのはプリズムめがねを試す方法です。









最後の手段が外眼筋の手術です。正面眼位を修正して
少しでも患者さんの生活を楽にするものです。

この場合、弱すぎる働きを示す筋にあわせてその対抗作用のある筋を緩めるのが基本です

それでも足りない場合には、筋の位置を移したり、
短縮したりしてバランスをとります。

[合衆国(USA)」にはどの筋肉を何ミリ緩めると
眼球の運動がどう変わるかと言うことをシミュレートする
アップルコンピュータの上で走るプログラムがあります。





いずれにしても、あくまで治療することが可能で、
治療を進めなくてはならない重要な原因疾患を見落とさないのが肝心です。


動眼神経麻痺というのは様々な原因で
また様々な病変の場所で起きる疾患を含むので一概にして論ずることは難しいものです。
















この相談への個別リンクは 
http://www.clinicayamamoto.com/list_single_N.php?s_no=165
 です。
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